
「戦場のニーナ」なかにし礼著(講談社)
なかにし礼さんは作詞家として有名だが、
作家としてもずいぶん本を出している。
私がなかにし礼さんの本を心にとめたのは、
映画「赤い月」を見たとき。
自分の母をモデルに書いたという「赤い月」は、
生き抜くための母親を描き、
シングルマザーの私は涙した。
子どもを死なせないために、
子どもが生きていけるようにがんばる母の姿を、
私なりに共感したからだ。
さて、この「戦場のニーナ」は満州で生まれたなかにし礼さんが、
ロシアを舞台に描いたもの。
中国人と思われていたニーナが、
日本人とわかるまでの長い話。
死にかけながら、3度も命を助けられ、
4度目は日本人としてのルーツがわかっての生き返り。
読みやすく、ぐいぐい引き込んでいく本だ。
本文より抜粋。
「ニーナは常日頃、ふと気がつくと、自分の運命を嘆いていることが多かったが、この日以来、そういうことはしなくなった。むしろ、三度も奇跡的に助けられたこの命を充実させて生きぬくことこそが、ムラビヨフやソーニャにたいする恩返しだと思うようになった。」
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